お問い合わせお問合せ

MENU

資産活用、賃貸管理、大規模修繕のダイニチ

不動産オーナーさま向けコラム

マンション一棟買いの成功のポイントとは?メリット・デメリットも解説(賃貸経営)

2024.08.15

マンション投資の手法には、分譲マンションの一戸を購入して賃貸物件として活用する区分マンションの投資と、一棟丸ごと購入して運用する一棟マンションの投資があります。

 

マンション経営を考えている方の中には、区分マンション投資だけでなく、一棟マンション投資に興味がある方もいることでしょう。

 

そこで、この記事では、マンション一棟買いで賃貸経営を行う際の成功のポイントを解説しつつ、区分マンションや一棟アパートの投資とも比較していきます。

マンション一棟買いとは

マンション一棟買いとは、マンション一棟を丸ごと購入して経営する投資手法のことです。

 

マンション全体を所有することで、投資のスケールメリットを享受できるため、効率的なマンション経営が行えます。

 

初期投資が高額になりますが、その分大きなリターンが期待できます。

マンション一棟買いのメリット

マンション一棟を全て購入して経営する手法にはさまざまなメリットがあります。

 

ここでは、この投資手法のメリットを具体的に解説します。

多額の収入を得られる

マンションを一棟丸ごと買って運営する手法は、複数の部屋からの家賃収入が期待できるため、多額のキャッシュフローを安定して得られます。

 

建物全体を管理するため、修繕費用や運用コストは大きくなりますが、その分トータルで得られる収入額は大きくなります。

空室リスクを分散できる

一棟を購入し運用する場合は、賃貸している部屋が複数あるので、空室が発生して家賃収入がなくなるリスクを分散できるというのも大きなメリットです。

 

区分所有の場合であれば、退去者が出た際には次の入居者が決まるまで、家賃収入が途絶えてしまいローンの返済などに支障が出る場合も考えられます。

 

多くの部屋数があるマンションであれば、一部の部屋が空室になったとしても、全体の収入への影響は限定的です。

 

キャッシュフローが確保できているので、安心してマンション経営ができます。

利回りが高い

一棟マンション投資は、一室ごとに運用する区分マンション投資よりも利回りが高くなる傾向があります。

 

一般的に中古物件の場合、区分マンションの平均利回りは5%程度ですが、一棟を丸ごと運用する場合は7%程度といわれています。

資産価値が高い

一棟マンションは土地付きであることが多く、土地の資産価値が維持されるため、不動産全体の価値も高いです。

 

区分マンションの場合は、わずかな土地の持ち分があるだけなのに比べて、マンション全体を購入した場合では、広い土地全体を丸ごと保有することになります。

 

建物は減価償却によって資産としての価値が少しずつ減少しますが、地価はあまり変動せず、エリアによっては土地の価値が上がっていく場合もあります。

管理がしやすい

管理やメンテナンスを一元化できるため、効率的な運営が可能です。

 

区分マンションを複数保有するよりも、一棟での管理は時間のロスが少なくコストも抑えられます。

節税メリットがある

マンションの一棟買いは大きな節税のメリットがあります。

 

マンション全体を購入した際の取得代金や購入後の必要経費が、そのまま経費として計上できるからです。

 

また、減価償却費の控除の金額も大きくなります。

 

その分、節税効果が得られやすいです。

マンション一棟買いのデメリット

マンション一棟投資にはメリットばかりがあるわけではありません。

 

ここでは一棟を買ってマンション経営をする場合のデメリットについて解説します。

投資金額が大きい

マンションを一棟そのまま買うには、大きな金額が必要になります。

 

購入にあたっては、不動産投資ローンを利用することが多いですが、その場合、一定金額の頭金が必要になります。

 

頭金は物件価格の10%~30%程度を求められるケースが一般的です。

 

一棟を購入する場合では物件価格は1億円以上になることが多いので、1千万円~3千万円の自己資金が必要となります。

災害リスクを分散できない

一棟が一つの場所に存在しており、区分マンションのように複数地域に分散できないため、災害リスクを分散することはできません。

 

もし自然災害や火災などで被災した場合には、大きな被害を受ける可能性が高いです。

 

例えば、すべての家賃収入がなくなりローン返済に支障が出ること等も挙げられます。

 

災害リスクを軽減するためには、マンションを購入する前に、ハザードマップ等で調査をしっかりしておくことが非常に重要です。

融資を得るのが難しい

高額な物件の場合、融資を受けるための条件も厳しくなります。

 

融資を受ける際には、物件の収益性や市場価値だけでなく、借り手の年収や保有資産など細かく審査されます。

 

一棟のマンションを丸ごと購入して運用する投資では、区分マンションの運用よりもさらに事業としての収益性が重要です。

 

そのため、融資の審査を通過するためには、綿密な収支計画書を準備しなければなりません。

ランニングコストが高くつく

一棟のマンションを運用していくには、ランニングコストが高額になることを見込んでおく必要があります。

 

マンション全体の維持管理費、修繕費、固定資産税等の支払いにはまとまった金額が必要になるので、事前に十分な計画を立てて収支のバランスをとらなければなりません。

流動性が低い

一棟マンションは高額なため、売却時に買い手を見つけるのが難しくなります。

 

売却して現金にしたいと考えても、流動性が低いため、買い手がなかなか見つからず、売却に非常に時間がかかったり、想定した価格よりも値下げして売り出さなければならなかったりするかもしれません。

 

不動産投資では価格帯が高い一棟マンションの場合は、区分マンションよりもさらに出口戦略を考えて投資する必要があります。

区分マンション投資と一棟マンション投資の違いとは

ここからは、一棟マンションに投資する場合と他の不動産投資形態との違いを見ていきます。

 

まずは、区分マンション投資のメリット・デメリットを比較してみましょう。
 

区分マンション投資のメリット

区分マンションに投資する手法の大きなメリットは、初期投資が小さく、手軽に始められることです。

 

区分マンションへの投資は、小規模な物件から始めることができるため、自己資金が少ない人にも適しています。

 

資金面でのリスクが低く流動性もあるので、初めての不動産投資として人気があります。

区分マンション投資のデメリット

区分マンションへの投資は初期投資の金額は少ないですが、その分得られる家賃収入も少なくなります。

 

運用コストは一定金額かかるため、収益性は一棟所有に比べて低いです。

 

また、マンションを1室だけ運用している場合には、空室リスクが直接的に収入に影響します。

 

入居者が決まらず家賃収入がなくなっても、ローンの支払いや運用コストはかかるため、資金繰りのリスクが大きいといえます。

一棟アパート投資と一棟マンション投資の違いとは

次に、一棟のアパートと一棟のマンション投資の違いを見てみましょう。

 

一棟アパートに投資する場合のメリット・デメリットを確認します。
 

一棟アパート投資のメリット

アパートはマンションと比較すると規模が小さい物件が多いため、初期投資が少なく、手軽に始められることがメリットです。

 

特に、木造アパートは建物の取得にかかる費用が安く、コストパフォーマンスが高いです。

一棟アパート投資のデメリット

木造の一棟アパートは、運用の管理やメンテナンスのコストが高くつく場合があります。

 

また、鉄筋コンクリート造と比較すると建物の資産価値が低く、将来的な売却益が期待しにくいです。

 

また、木造の場合は耐用年数も短いため建物の老朽化が進みやすく、大規模修繕が多く必要になることもあります。

一棟マンション投資で失敗しないための対策

一棟マンションに投資する際に失敗しないためには、どのような対策をしておけばよいでしょうか。

 

投資する場合のポイントを解説します。

十分に収支計算をする

一棟マンション投資を行う際には、不動産仲介会社に任せるだけではなく、自分自身で綿密な収支計画を立てることが成功への第一歩です。

 

収支計画作成にあたっては、収入と支出を慎重に見積もり、リスクを考慮して厳しめに計算することで、予想外の出費や収入の減少に備えます。

 

また、物件の購入価格、融資条件、修繕費用、運営費用、空室リスクなど、すべての要素を考慮に入れることが大切です。

修繕状況を確認する

物件の修繕履歴や現在の状態を確認し、将来的な修繕費用を見積もっておく必要があります。

 

事前に修繕計画を立てておくことで、不意に発生する大きな出費を避けられます。

 

物件の修繕状況を確認する際には、専門家の意見を取り入れると良いでしょう。

需要が高く競争が少ない場所を選ぶ

賃貸経営には主に空室リスクと家賃下落リスクがあります。

 

この2つのリスクを最小限に抑えるためには、賃貸需要が高いエリアの物件を選ぶことが不可欠です。

 

ただし、賃貸ニーズが高くても、競合物件が多い場合には家賃競争が激化し、収益が減少する可能性があります。

 

リスクを最小限に抑えるためには、一定の賃貸ニーズが見込めて競合する物件が少ないエリアの物件に投資するようにしましょう。

ニーズに合った設備にする

時代に合った設備を備えることが重要なポイントです。

 

住宅に関する技術やライフスタイルは常に変化しており、新築時には先進的だった設備も、経年によって陳腐化し、時代に合わなくなることがあります。

 

現代の賃貸市場では、Wi-Fi高速回線、オートロック、宅配ボックスなどが必須の設備とされています。

 

常に時代に合った設備を導入し、物件の価値を維持・向上させることが大切です。

不動産投資の収支計画で見るべき指標

不動産投資では収支計画を立てる際に見るべき指標がいくつかあります。

 

ここでは代表的な指標を解説します。

表面利回り

物件価格に対する年間家賃収入の割合を示します。

 

この数値が高いほど、投資効率が良いと判断されます。

 

ただし、表面利回りだけでなく、他の指標と合わせて総合的に評価することが重要です。

 

なお、計算式は以下の通りです。

 

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格✕100

実質利回り

表面利回りから経費を差し引いた実際の利回りを示します。

 

実際の収益性を把握するために重要な指標です。

 

運営費用(管理費、保険、固定資産税など)や修繕費を考慮した上で、実質利回りを評価することが投資判断のポイントとなります。

 

なお、計算式は以下の通りです。

 

実質利回り(%)=営業純収益(NOI)÷物件価格×100

総収益率(FCR)

物件の運営費用を含めた収益性を示します。

 

投資全体の収益性を評価するために用いられます。

 

投資総額には、購入費用だけでなく、修繕費用や管理費用などの諸費用も含めて計算します。

 

なお、計算式は以下の通りです。

 

FCR(%)=営業純収益(NOI)÷投資総額×100

自己資本利回り(CCR)

自己資金を投資した場合の利回りを示します。

 

自己資本の効率的な運用を評価する指標です。

 

ローン返済後にどれだけのキャッシュフローが残るかを評価し、投資の効果を測るために使用します。

 

なお、計算式は以下の通りです。

 

自己資本利回り(%)=年間キャッシュフロー(NOI−ローン返済額)÷自己資本×100

投資収益率(ROI)

投資全体の収益性を示す指標であり、投資判断の際に重要です。

 

ROIが高いほど、投資が効率的であると判断されます。

 

投資総額には、購入費用、修繕費用、管理費用などすべての費用を含めて計算します。

 

なお、計算式は以下の通りです。

 

投資収益率(%)=年間キャッシュフロー÷投資総額×100

一棟マンション投資に向いている人は?

一棟マンション投資に向いているのはどのような人でしょうか。

 

特徴として2つ挙げて解説します。

賃貸需要のある土地を所有している人

一棟マンション投資に向いているのは、賃貸需要のある土地を所有している人です。

 

マンションを建てるには通常、土地の購入が必要ですが、既に土地を所有している場合、その分の出費を抑えることができます。

 

土地を更地のままにしておくよりも、居住用不動産を建設することで固定資産税や都市計画税の優遇を受けることができ、節税効果も期待できます。

 

ただし、成功のためにはその土地が賃貸需要のあるエリアであることが前提です。

 

地域の利便性や賃貸需要をよく調査し、需要が見込める場所で投資を行うことが重要です。

3,000万円以上の金融資産を所有している人

金融資産を3,000万円以上所有しているということも、一棟マンション投資を考える条件です。

 

この投資には高額な初期費用がかかり、融資の審査でも一定規模以上の金融資産が求められます。

 

不動産を購入する際、自己資金で用意すべき金額は物件価格の10〜30%程度です。

 

例えば、1億円のマンションを購入する場合、自己資金として1,000万〜3,000万円が必要です。

 

そのため、少なくとも3,000万円以上の金融資産を保有していることが望ましいです。

 

金融資産が十分にあることで、融資審査をクリアしやすくなり、資金計画も安定します。

まとめ

マンション一棟買いは、高額な初期投資が必要である一方、多くのメリットを享受できる投資手法です。

 

安定したキャッシュフロー、高い利回り、効率的な管理など、多くの魅力がありますが、リスクも伴います。

 

成功するためには、詳細な収支計画、適切な物件選び、信頼できる管理会社の選定が重要です。

 

また、自身の資産状況や投資目的に合わせて、最適な投資手法を選ぶことが求められます。

 

賃貸経営を成功させるためのポイントを押さえ、賢い投資を行いましょう。

この記事を書いた人

DAINICHI 編集部 不動産チーム

DAINICHI 編集部 不動産チームは社内外の有識者により構成されています。不動産の投資、管理、運用、リノベーション、売却、有効活用などの方法について、様々な視点から不動産に関する有益な情報をお伝えします。

関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。

PAGETOP