遊休地の有効活用法8選!おすすめの活用方法を教えます!
遊休地を所有している方の中には、「遊休地を有効活用したいけど、どの活用方法が良いのか分からない」「有効活用すべきか悩んでいる」などの悩みを抱えている方も多いです。
一言に遊休地の有効活用と言っても様々な活用方法があるうえに、活用方法によっては高額な資金が必要でリスクを伴う方法もあるため、無理もありません。
本記事では遊休地の有効活用をしたほうが良い理由と、おすすめの活用方法を8つ紹介していきます。
遊休地を有効活用したほうが良い理由
遊休地とは、なんの用途にも使われていない土地を指しますが、よくあるのは、相続で土地を受け継いだものの、活用せずに放置しているというケースです。
しかし、長年放置しておくのは、固定資産税などの維持費がかかるばかりか、トラブルの原因になる可能性もあるためおすすめできません。放置しておくぐらいなら、駐車場やアパート経営などで有効活用するようにしましょう。
管理に手間がかかる
土地の所有者には、土地を適切に管理する義務があります。
当然、遊休地を所有している場合も、草刈りや土地の見回り、清掃などを行わなければなりません。
適切に管理していないと近隣住民の迷惑になり、トラブルに発展する可能性が高いため注意が必要です。
しかし、近所ならまだしも住んでいる場所から遠方にある遊休地を管理するのは、交通費や時間もかかり現実的ではありません。
仮にできたとしても、何も活用してない土地に時間や手間をかけるのは非効率です。
管理費用が必要
遊休地は所有しているだけでも、以下のコストがかかります。
・ 固定資産税
・ 都市計画税(都市計画法による市街化区域に指定された範囲の場合)
・ 維持管理費用(草刈り・清掃などを業者に依頼した場合)
なお、固定資産税と都市計画税の額は、地域ごとに異なります。
また、都市計画税は、自治体の経済事情などにより課税されていない地域もあります。(ちなみに浦安市では、現在は都市計画税の課税はありません。)
固定資産税と都市計画税の額は、以下の計算式で求めることが可能です。
固定資産税=課税標準額×1.4%
都市計画税=課税標準額×0.3%
出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋) | 税金の種類 | 東京都主税局
具体例として、都市計画法による市街化区域に指定された範囲内にある課税標準額が8,000万円の遊休地で、固定資産税と都市計画税を計算してみましょう。
8,000万円(土地の課税標準額)×1.4%=112万円(固定資産税)
8,000万円(土地の課税標準額)×0.3%=24万円(都市計画税)
8,000万円の価値がある遊休地を所有している場合は、所有しているだけで毎年136万円の税金を支払わなければなりません。
何も利益を産まない土地に対して税金を支払い続けるだけでは、資産が減っていく一方です。
ゴミが不法投棄される可能性がある
遊休地を放置していることで、不法投棄の被害に遭う可能性があります。
特に、遊休地が遠方にあるケースでは、土地の手入れを頻繁に行えないため、より被害に遭いやすくなります。
仮に不法投棄した犯人が見つからない場合には、管理する義務のある土地の所有者が、不法投棄されたゴミの撤去費用を負担しなければならないことも覚えておきましょう。
賃貸経営を始める際に利用できる不動産投資ローンと住宅ローンの相違点
遊休地の有効活用としておすすめの活用方法を、以下の表にまとめました。
まずは確認してみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
アパート・マンション |
・ 安定した収入が得られる ・ 固定資産税や都市計画税を大幅に減額できる |
・ 初期投資の費用が高額になる ・ 立地によっては空室のリスクが高くなる |
駐車場 |
・ 初期費用が他の活用方法よりも安価 ・ 狭い土地でも利用できる ・ 更地に戻しやすい |
・ 賃貸不動産と比較すると節税効果と収益性が低い ・ 田舎の土地にあまり適していない |
医療施設 |
・ 需要が増している ・ 地域の貢献度が高い |
・ 転用が難しい ・ 特殊な不動産であるため流動性が低い |
高齢者向け施設 |
・ 需要が増している ・ 安定した収入が得られる |
・ 転用が難しい ・ 初期費用が高額 |
オフィスビル |
・賃料単価が高い |
・立地が限定されている ・初期費用が高額 |
借地 | ・コストが抑えられる | ・長期間の契約になる |
コインランドリー | ・管理者が必要ない ・狭い土地でも利用できる |
・設備の導入費用が高額 ・競合との差別化が難しい |
売却 | ・固定資産税などの維持費がかからない ・管理する手間が必要ない |
・売却時に諸経費がかかる ・定期的な収入が得られない |
上記の8つの活用方法を解説していくので、ご自身が所有している遊休地に最適な活用方法を選択してください。
アパート・マンション
安定した収入を得たいならアパートやマンション、賃貸住宅などの賃貸用不動産として活用するのがおすすめです。
賃貸用不動産を建設して経営することで、長期的に安定した家賃収入を得ることができます。
また、居住用の不動産を建設することで、「小規模住宅用地の特例」が適用できるため、固定資産税や都市計画税を大幅に減額することも可能です。
このように、メリットの多い賃貸用不動産としての土地活用ですが、もちろん注意点もあります。
「初期投資の費用が高額になる」ことや、「立地によっては空室のリスクが高くなる」ことです。
このため、「資金が確保できるのか、賃貸ニーズがあるか」などを慎重に見極めるようにしましょう。
駐車場
費用をあまりかけずに有効活用したい方には、駐車場としての活用がおすすめです。
駐車場はマンションなどの賃貸不動産と比較して、初期費用があまり掛からないため、低リスクで始めることができます。
さらに、狭い土地でも利用できたり、更地に戻しやすいなど、その他のメリットも少なくありません。
しかし、賃貸不動産と比較すると節税効果が低く、立地によっては収益性も良くないというデメリットも存在します。
都心部の土地の場合は駐車場需要が高く収入も高くなりやすいですが、田舎の土地の場合は駐車場需要が低く収入も低い傾向にあるため、立地をしっかりと検討したうえで駐車場としての活用を始めてください。
医療施設
「病院」や「診療所」などの医療施設を建築して、賃貸として貸し出す方法もあります。
高齢化が進んでいるため、テナントとなる病院の患者数が減少する可能性は少なく、空きテナントになる可能性が低いのが最大のメリットです。
しかも、医療施設は地域の貢献度が高いため、社会貢献にも繋がります。
ただし、このことはデメリットにもなり得てしまいます。
地域貢献性が高い医療施設は、経営が軌道に乗れば乗るほど地域住民との関係性が強くなるためです。
建物が特殊であることもあり、万が一にでも医師が撤退してしまうと、別のビジネスに貸し出すのは容易ではないというデメリットがあります。
このため、医療施設を建築して貸し出す活用をする際は、一定の覚悟が必要です。
高齢者向け施設
所有している遊休地の広さが一定以上あるなら、高齢者向けの施設である老人ホームや高齢者介護施設として活用する方法もおすすめです。
高齢化が進んでいることから市場の拡大が期待されるうえに、運営事業者に長期契約で建物を貸すことで、安定した収入を得ることができます。
その上、事業者に一括で貸すことで空室のリスクを気にする必要もありません。
ただし、膨大な初期費用がかかることや、一度建物を建設してしまうと土地の転用が難しいといったデメリットもあります。
仮に事業が失敗し途中解約になった場合には、次の事業者が見つからない限り建築した建物を有効活用できず、ローンの返済が滞るといった事態になりかねません。
こういった事態にならないためにも、高齢者向け施設を運営する事業者に問題がないのかをよく見極めることが重要です。
オフィスビル
オフィスビルを建設して賃貸として貸し出す方法は、アパートやマンション経営よりも賃料単価を高く設定できるため、同じ賃貸面積でも収入が大きくなります。
また、需要がある地域であれば入居者も集まりやすく、安定した収入を得ることが可能です。
ただし、オフィスビルに適した立地は駅前立地などに限られているため、適した立地かどうかをよく見極めなければなりません。
立地が悪い場所にビルを建設してしまうと、結果的に賃料単価が他の賃貸経営よりも低くなってしまうといった事態も考えられます。
このため、オフィスビルを建設する場合は、土地がオフィスビルに適している立地かどうかを慎重に検討するようにしてください。
借地
手間とコストをかけずに有効活用したいなら、定期借地での活用がおすすめです。
定期借地とは事前に設定した契約期間で、建物を建築するための土地を貸し出すことを指します。
他の活用方法と違って土地を貸すだけであるため、建物を建築する必要がないうえに経営する必要もありません。
このため、手間や時間、リスクをかけずに安定した収入が得ることが可能です。
ただし、一度契約すると途中解約ができないことや、定期借地契約の種類によっては長期間の契約になるといったデメリットもあります。
実際、一般定期借地契約の場合は契約期間が50年以上になり、事業用定期借地契約の場合は契約期間が10〜30年になるため、中短期の活用を検討している方には向いていません。
定期借地として遊休地を活用する場合には、長期間の活用になることを覚えておきましょう。
コインランドリー
コインランドリーを建設して経営する方法は、比較的狭い土地でも導入しやすく、現地に管理者が常駐する必要もありません。
しかも、コインランドリーと言えば単身男性と思われがちですが、近年では女性客も増えており一定の需要が見込めます。
コインランドリーに設置される洗濯機の機能は、家庭用の洗濯機と比べて高性能になっているため、家庭用では洗えない洗濯物も洗えるためです。
しかし、設備を導入するための費用が高額で、競合店との差別化が難しく立地が良くないと収益が見込めない可能性が高いというデメリットも存在します。
コインランドリーとして活用する場合には、住宅地などの利用者が多いと予想される立地かどうかを確認するようにしましょう。
売却
建物を建てたり、遊休地で何らかの事業を行うことだけが有効活用ではありません。
有効活用しようとしても、立地が良くないなどの理由により収益が得られる可能性が低いなら、売却を検討することをおすすめします。
売却することで、まとまった資金を得ることができるうえに、売却後は固定資産税を支払う必要もありません。
ただし、売却時には仲介手数料などの諸経費や、譲渡所得税が掛かります。
遊休地の有効活用で失敗しないためのポイント
遊休地の有効活用で失敗しないためには、需要の確認などのポイントを押さえておく必要があります。
ポイントを理解したうえで所有している土地に適した活用方法を選択しないと、有効活用に失敗してしまい損失が発生する事態になりかねません。
土地活用に失敗しないためにも、以下で紹介している3つのポイントの内容を理解したうえで、活用方法を検討するようにしましょう。
用途地域の確認
土地は都市計画法によって、13種類の用途地域が定められており、用途地域によって建築できる建物の種類が決められています。
例えば、「第二種低層住居専用地」は、主に低層住宅のための地域であるため、150平方メートルを超える商店などは建てられません。
一方、「工業専用地域」は、原則として住宅が建てられない地域です。
このように、用途地域によって建築できる建物が定められているので、活用方法を検討する際は、どの用途地域であるかを確認してから、活用方法を決めるようにしてください。
なお、13の種類の用途地域は、以下になります。
ニーズの確認
所有している土地の立地について分析し、賃貸ニーズなどの需要を把握する必要があります。
例えば、オフィスビルを住宅地に建築しても需要がないため、テナントが入らずに失敗してしまう可能性が高いです。
遊休地の有効活用に失敗しないためには、所有している土地の周辺に「どのような人が住んでいて、どういった事業者があるか」など、立地についての分析を行い、需要を理解したうえで適した有効活用法を選択する必要があります。
土地の広さ
土地の広さによって活用できる方法が異なります。
例えば、老人ホームや医療施設として活用する場合には広い土地が必要不可欠です。
所有している土地によって最適な活用方法が異なってくるため、有効活用について考える際は、所有している土地の広さと希望する活用方法で必要な土地の広さを確認するようにしましょう。
初期費用
初期費用をいくら用意できるかによって、活用方法の選択肢が変わります。
例えば、老人ホームなどの大規模な建物を建築する場合の初期費用は、駐車場として活用するための初期費用と比較すると、非常に高額です。当然、用意できなければ、希望する活用方法を行うことはできません。
活用方法を考える際は、ローンも含めていくらの資金を用意できるのかを確認するようにしましょう。
まとめ
遊休地の有効活用では、所有している土地に最適な活用方法を選ぶ必要があります。
このため、活用方法ごとのメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
理解しておくことで、最適な活用方法がどの方法なのかを判断することができます。
そのため、本記事では遊休地を有効活用したほうが良い理由と、おすすめの活用方法について解説してきました。
遊休地の有効活用で悩んでいる方は、本記事を参考にしてください。
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