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不動産オーナーさま向けコラム

アパート・マンション経営に必要な費用とは?内訳と維持費も徹底解説

2022.06.01

アパート・マンション経営(賃貸経営)を行うためには、さまざまな項目で多額の費用がかかります。

 

このため、安定した賃貸経営を行うためには、経営にかかる費用について把握しておくことが重要です。

 

本記事では、賃貸経営にかかる初期費用、維持費、費用を抑える方法について解説していきます。

 

アパート・マンション経営を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。

アパート・マンション経営(賃貸経営)にかかる初期費用

賃貸経営を始める際は、物件の取得費用だけでなく、税金などのさまざまな費用がかかります。

 

資金に余裕がある状態で賃貸経営を始めるためにも、物件を取得する際の初期費用を把握しておくことが重要なため、以下で解説している初期費用の各項目をよく確認するようにしてください。

アパート・マンション(不動産)の取得費

 

 

アパート・マンションの取得費については以下のパターンにより費用が異なります。

 

①既存物件を購入する場合

 

既存の中古物件を購入する場合の価格は、立地や築年数などさまざまな条件によって変動するため、物件価格にばらつきがあります。

 

②新築を建てる場合

 

新築を建てる場合には、以下の費用がかかります。

 
・ 土地代(非地主様)
・ 解体費(既存建物がある場合)
・ 建築費=建築費の坪単価×建築坪数
・ 駐車場など建物本体以外の工事費用
 
ちなみに、建築費は建物の構造によって費用が以下のように異なります。
 
・ 木造アパート:1坪当たり50~70万円程度
・ 鉄骨造アパート:1坪当たり60~80万円程度
・ 鉄筋コンクリート:1坪当たり80~120万円程度
 
2022年時点においては資材価格の高騰他により、単価は上昇傾向となっています。
 
また、駐車場などの建物本体以外の工事費用相場は「本体工事費用の10%以上」です。
 
なお、上記の金額はあくまでも目安の金額なので、実際の金額については、アパート・マンション建築を行う不動産会社や工務店などに見積もりを依頼するようにしてください。

不動産取得税

アパートやマンションの土地や建物を取得した際に、不動産が在る都道府県が課税する都道府県税が「不動産取得税」です。

 

購入時に請求されるわけでなく、購入後3ヵ月から半年程度後に請求されます。

尚、税額計算のために調査が必要な不動産などは1年近くかかるケースもあります。

 

ちなみに、不動産取得税の金額については、以下の計算方法で計算することが可能です。

 

不動産取得税=固定資産税評価額×税率(3%)

 

税率に関しては、本来「4%」ですが、2024年3月31日までに物件を建築や取得すると、「3%」に軽減される軽減措置が適用されています。

 

また、新築で1戸あたりの延べ床面積が40㎡以上240㎡以下のアパートは、住宅用地の特例を利用することができ、「1戸につき1,200万円」を控除することが可能です。

 

なお、認定長期優良住宅の場合は、1,300万円の控除になることも覚えておきましょう。

 

出典:住宅:不動産取得税に係る特例措置 - 国土交通省

印紙税

印紙税とは、売買契約書や工事請負契書など契約書に課税される税金です。

 

課税される金額の印紙を購入し、書類に貼付する形で納税します。

 

なお、印紙税は購入するアパート・マンションの金額や工事費用によって以下のように異なるため、注意が必要です。

 

【不動産売買契約書】

 
契約金額 税額(2024年3月31日まで)
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円超え 48万円

 

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

 

【工事請負契約書】

 

契約金額 税額(2024年3月31日まで)
100万円を超え200万円以下 200円/span>
200万円を超え300万円以下 500円
300万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円超え 48万円

 

出典:建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

 

印紙税は2024年3月31日まで、軽減措置が適用されており、税額が軽減されています。

登記費用

アパートやマンションを新築や購入した際に行なう登記には、登録免許税を支払う必要があります。

 

支払う必要がある登録免許税は以下です。

 

登記内容 計算式
売買で土地・建物の所有権移転登記をする際の登録免許税 不動産価額×2%(令和3年3月31日までは軽減措置により1.5%)
新築建物の所有権保存登記を行う際の登録免許税 建物の固定資産税×0.4%
ローンを利用して購入や建築をした際の抵当権設定登記の登録免許税 借入額×0.4%

 

出典:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

 

 また、上記の費用以外にも、登記を司法書士に依頼する場合には、別途で司法書士に依頼するための費用もかかります。

 

仮にローンを利用して購入や建築をした際の抵当権設定登記は10万円前後となります。

 
また、「表題(表示)登記」という建物を新築した際の義務となっている登記もありますが、こちらを土地家屋調査士に依頼する場合の報酬相場も10万円前後となります。
 
ちなみに、費用を抑えたい方は、手間と時間がかかりますがご自身で行うことも可能です。

ローンの事務手数料など

1棟アパートやマンションを購入する際は、ほとんどの方は金融機関の不動産投資ローンなどを利用します。

 

ローンを利用する際には、前述した抵当権設定登記以外にも、以下の費用がかかります。

 

名称 内容 費用
保証料 保証会社に支払う費用 借入金額の2%
事務手数料 金融機関に支払う事務手数料 定額制:5~10万円程度
定率制:借入金額1~3%程度

 

事務手数料に関しては、定額制と定率制の2種類があり、金融機関によって異なるため注意が必要です。

保険料

アパートやマンションを経営する際に加入する「火災保険」や「地震保険」にかかる保険料です。

 

火災保険は建物の規模や構造によって金額は異なります。

 

地震保険は火災保険と合わせて加入しますが、火災保険の種類や建物の規模や構造によっても異なります。

 

正確な金額については保険会社に問い合わせて見積もりを取得するようにしてください。

 

なお、火災保険については、「賃貸経営において損害保険の中でも火災保険に加入するべき理由とは?」という記事で詳しく解説しているので、内容をよく確認するようにしてください。

仲介手数料

不動産会社に仲介を依頼して、アパートやマンションを購入した場合は、「仲介手数料」が発生します。

 

不動産売買に関する仲介手数料は以下のように法律によって上限が定められています。

 
売買価格 仲介手数料(税別)
400万円超の場合 売買金額 × 3% + 6万円

精算金(固都税など)

不動産売買をした際に、固定資産税や都市計画税(以下、合わせて「固都税」という)の精算金が発生します。

 

固都税は、毎年1月1日に不動産を所有している方に対して課税されるため、所有期間が3ヶ月だったとしても、1年分の固都税を支払わなければなりません。

 

しかし、それでは売主のほうが不利益を被るため、売主と買主の当事者間で所有期間に基づいて課税される固都税の金額を按分し、売買時に精算するのが一般的です。

その他(緊急修繕費など)

紹介してきた費用以外にも、緊急修繕費や税理士への相談・依頼料がかかります。

 

意外と忘れがちなので、計算に入れるようにしましょう。

 

なお、緊急修繕費とは、売主が必要な修繕を行わない状態で売却となった物件を購入した場合にかかる修繕費のことです。

アパート経営で必要な維持費

 

アパート・マンション経営をするには、初期費用だけでなく、複数の項目で維持費が掛かります。

 

このため、安定した経営を行うためには、維持費についてよく理解しておくことが重要です。

 

賃貸経営で必要な維持費について以下で詳しく解説していくので、内容をよく理解するようにしてください。

管理委託料

アパート・マンションの管理を管理会社に依頼する場合は、管理委託料がかかります。

 

管理委託料の相場は、「毎月の家賃の5%程度」で、委託する主な業務は、以下になります。

 

・ 入居者の募集

・ 賃貸借契約の締結、更新、解約などの手続き

・ 入居者のトラブル対応

・ 退去精算の手続き など

 

ただし、上記の業務内容については、契約する管理会社によって異なるので、管理会社と委託契約をする際は、契約内容をよく確認するようにしてください。

水道光熱費

水道光熱費とは、共用部分の電気代、水道代のことです。

固定資産税・都市計画税

土地と建物それぞれに毎年課税される「固定資産税・都市計画税」を支払う必要があります。

 

毎年1月1日時点で不動産を所有している方に課税されるため、不動産を所有している場合は必ず支払わなければなりません。

 

固定資産税と都市計画税は、以下の計算式で計算できます。

 

税金 計算式
固定資産税 課税標準額×1.4%(標準税率)
都市計画税 固定資産税評価額×0.3(標準税率)

 

出典:総務省|地方税制度|固定資産税の概要総務省|地方税制度|都市計画税

 

なお、敷地面積が200㎡以下の土地に関しては、固定資産税評価額を6分の1に、都市計画税を3分の1に減額する特例が適用されているので、内容をよく確認するようにしてください。

 

また、都市計画税は、自治体の経済事情などにより課税されていない地域もあります。(浦安市では、現在は都市計画税の課税はありません。)

 

損害保険料

損害保険料とは、火災保険料や地震保険料などにかかる費用のことです。

 

契約内容によっては、「毎年保険料を支払う方法」や、「先にまとめて支払う方法」などがあり、先にまとめて支払っている場合には、契約更新時以外に保険料が発生することはありません。

 

また、まとめて保険料を支払う方法のほうが、他の方法よりも保険料が安くなっているため、節約が可能です。

修繕費用

 

設備や建物の定期的なメンテナンスや破損した場合は、「修繕費用」がかかります。

 

経年劣化した建物や設備の修繕を行わないと、入居者が集まらなくなってきたり、建物の耐久性にも影響を及ぼすためです。

 

将来的には、大規模修繕も必要になるため、修繕積立金などで大規模修繕の費用を貯めておくようにしましょう。

点検費用

アパートやマンションを経営している場合には、法定点検が必要不可欠になります。

 

例えば、1棟アパートやマンション経営している場合、年2回の消防点検が義務化されています。

 

また、他にも以下の法定点検が必要です。

 

・ 簡易専用水道検査(年1回)

・ 浄化槽点検(年1回)

・ 建築設備点検(年1回)

・ エレベーター保守点検(年1回)

・ 自家用電気工作物点検(月1度の日常巡視点検・年に1度の定期点検・3年に1度の精密点検)

 

上記の点検は自身ではできないため、専門家に依頼する必要があります。

 

なお、点検費については業者によって費用の差が大きいため、点検費用が安い業者に依頼するのがおすすめです。

 

リノベーション費用

築年数が経過したことで、設備や間取り、建物などが劣化し、それが原因で空室が発生している場合には、リノベーションを施すことも検討しなければなりません。

 

なお、リノベーションに関しては、「アパートを差別化するためのリノベーションとは?成功するためのポイントを解説」という記事で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。

広告宣伝費用

入居者募集を管理会社に依頼せずに自身で行っている場合には、入居者募集のための広告宣伝費がかかります。

 

例えば、チラシの作成費用や折込チラシ代、ポスティング代などです。

 

多額の広告宣伝費がかかってしまうと、管理会社に依頼したほうが良いという事態になりかねないため、費用対効果をよく見極めてから行うようにしてください。

アパート・マンション経営にかかる費用を抑える方法

アパート・マンション経営では、初期費用と維持費に多くの費用がかかります。

 

そのため、賃貸経営にかかる費用を抑える方法を幅広く知っておかないと、賃貸経営自体に失敗する事態に陥りかねません。

 

アパート・マンション経営で失敗しないためにも、以下で解説している賃貸経営にかかる費用を抑える方法の内容を、理解しておくようにしましょう。

相見積もりを行う

アパートやマンションを建築する際や修繕などを行う際は、相見積もりを取ることが重要です。

 

相見積もりを行うことで、より安価な業者が見つけられ費用を抑えることができます。

 

ただし、安いという理由だけで業者を選ばないようにしてください。

 

あまりに安い業者の場合は、仕事や対応がいいかげんで、悪質な業者の可能性があるためです。

 

相見積もりを行ったうえで、依頼を検討している業者の対応や実績なども確認したうえで依頼するようにしましょう。

設計施工一貫方式で建てる

アパートを建築する際は、設計施工一貫方式の業者を選ぶようにしてください。

 

設計施工一貫方式とは、ハウスメーカーが設計から施工まで行う工事方式で、設計料を抑えられるのがメリットです。

 

具体的には、設計施工一貫方式だと「工事費の1〜3%程度」なのに対し、設計と施工が違う会社が行っている場合は、「工事費の5〜8%程度」だと言われています。

自主管理を行う

アパートの管理を、管理会社に依頼せずに自主管理することで、管理委託費が必要なくなるため、アパート経営にかかる費用を抑えることができます。

 

ただし、自主管理は費用を抑えることができますが、清掃や契約の手続き、トラブル対応など、さまざまな業務をご自身で行う必要があるため、手間と時間がかかることは理解しておいてください。

 

費用を抑えたいからといって、本業がある方が自主管理を行おうとすると、管理がままなくなる可能性があります。

 

自主管理を検討する際は、物件を管理する時間があるのかなどを確認してから行うようにしましょう。

経費を漏れなく計上する

アパート経営で計上できる経費を漏れなく計上することで、税金を抑えることができます。

 

例えば、減価償却費や、通信費、事務用品費などです。

 

ただし、個人では判断できないケースもあるため、不安な方は費用がかかりますが、税理士に依頼することをおすすめします。

ローンの借り換えや繰り上げ返済を検討する

ローンを組んでアパート・マンションの建築や購入をしている場合は、借り換えを行うことで、返済総額を抑えられる可能性があります。

 

より低金利のローンに借り換えることで、利率を抑えられ利息を少なくできるためです。

 

ただし、利率がどれだけ抑えられるかは、金融機関によって異なるため、金融機関に相談するようにしてください。

 

なお、資金に余裕がある場合は、繰り上げ返済をすることで、返済総額が抑えられます。

 

とはいえ、設備の修繕などが急遽資金が必要になった際に対応ができなくなる可能性があるため、繰り上げ返済をする際は十分に注意してください。

定期メンテナンスをきちんと行う

物件を定期的にメンテナンスすることで、大規模修繕の費用を抑えることができます。

 

メンテナンスされずに設備や建物が大きく劣化したり、破損したりしていると、大規模修繕の費用は高額になる傾向にあるためです。

 

アパート経営にかかる費用を抑えるためにも、適切に定期的なメンテナンスは忘れないようにしましょう。

保険会社を見直す

保険会社によって保険料が異なるため、保険会社を見直すことで、保険料を抑えることができる可能性があります。

 

保険契約を更新するタイミングに複数の保険会社の見積もりをとって、比較検討するようにしてください。

管理会社・不動産会社などの専門家に相談する

管理会社や不動産会社に相談することで、賃貸経営にかかる費用を抑える方法などについてのアドバイスをもらえます。

 

相談するだけでは、直接的に費用を抑えることにつながりませんが、前述した方法を実行する際の問題点など、自分だけでは気づかない内容についてアドバイスがもらえるため、不安がある方は一度相談してみてください。

まとめ

 

安定した賃貸経営には、経営にかかる費用を把握しておくことで、安定した資金繰りを行えるようになります。

 

そのため、本記事では、賃貸経営にかかる初期費用、維持費、費用を抑える方法について解説してきました。

 

アパート・マンション経営を始めようと検討している方は、本記事を参考にしてみてください。

この記事を書いた人

DAINICHI 編集部 不動産チーム

DAINICHI 編集部 不動産チームは社内外の有識者により構成されています。不動産の投資、管理、運用、リノベーション、売却、有効活用などの方法について、様々な視点から不動産に関する有益な情報をお伝えします。

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