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資産活用、賃貸管理、大規模修繕のダイニチ

不動産オーナーさま向けコラム

賃貸経営では修繕費の積み立てが重要!メリットや注意点を解説

2022.08.01

マンションやアパートなどの賃貸経営において、大規模修繕には空室対策や物件価値の維持などのさまざまなメリットがあるため非常に重要です。

 

しかし、多額の費用がかかることからオーナーの金銭的な負担が大きく、「将来的に資金を用意できるのか不安」という声も少なくありません。

 

そういった方におすすめしたいのが修繕費の積み立てです。

 

賃貸経営を始めた当初から修繕費を積み立てておくことで、将来の金銭的な負担を軽減でき、適切なタイミングで効果的な大規模修繕を行えるようになります。

 

本記事では、賃貸経営で修繕費の積み立てが必要な理由や、積み立てる方法などについて解説していきますので、大規模修繕の費用について不安を感じている方は参考にしてみてください。

賃貸経営では大規模修繕が必要

安定的な賃貸経営を行うためには、計画的に大規模修繕を行う必要があります。

 

当然ですが、建物は経年劣化により老朽化していき、物件の価値や魅力、安全性などが低下していくためです。

 

実際、ニーズにあった設備や内外装でなければ機能面やデザイン面で競合物件に劣ってしまい、空室率の上昇や賃料の引き下げを強いられます。

 

したがって、安定した賃貸経営を行うためには、計画的に大規模修繕を行い、居住者や入居希望者にとって魅力的なマンションやアパートである状態を維持することが重要です。

 

なお、大規模修繕については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は確認してみてください。

 

「賃貸住宅のオーナーなら知っておきたい「⼤規模修繕」①⼤規模修繕とは」

大規模修繕を行うことで得られる4つの効果

 

大規模修繕を行うことで、賃貸経営においてメリットとなる効果を多数得ることができます。

 

得られる4つの効果を紹介していくので、大規模修繕を検討する際の参考にしてください。

空室対策になる

大規模修繕を行うことは、経営しているマンションやアパートの空室対策として非常に有効です。

 

例えば、外観が老朽化している場合に外壁の修繕を行うことで印象が良くなり、入居希望者の増加に繋がります。

 

また、内外装や設備が古く、他の競合物件よりもデザイン性や機能面で劣っている場合も同様です。

 

大規模修繕を行うことで、建物の景観がよくなったり、デザイン性や機能面が改善されるため、空室対策に繋がります。

 

ただし、空室の主な原因が周辺の競合物件よりも家賃が高いなど、建物の老朽化以外が理由の場合もあるため、空室が発生している原因を必ず突き止めるようにしましょう。

安全性が向上する

大規模修繕はマンションやアパートの安全性向上のためにも重要になります。

 

修繕を行わなければ、建築基準法に則って建築した建物であっても、築年数の経過と老朽化に伴い以下のような危険が生じる可能性があるためです。

 

・ 外壁の剥離による落下事故

・ サビや腐食による階段や手すりの破損

・ シロアリによる木造部分の腐食

・ コンクリートのひび割れによる建物強度低下

・ 屋上・ベランダなどからの水漏れ

・ 設備のパフォーマンス低下

 

上記はあくまで一例ですが、大規模修繕を行うことによって危険を予防できるため、危険に対して適切な対処をするためにも必ず実施してください。

 

なお、十数年に一度の大規模修繕だけでは上記のような危険を見逃してしまう可能性もあるため、定期点検も怠ってはいけません。

 

定期点検を行うことで致命的な不具合に発展する前に対処でき、将来的な修繕にかかるコストも抑えられるため、点検は定期的に行うようにしましょう。

資産価値が維持できる(向上する可能性もある)

建物は築年数が経過していくと経年劣化が進み、資産価値が下落していきます。

 

しかし、大規模修繕を行うことで資産価値の下落を緩やかにして、資産価値を長く維持することが可能です。

 

それどころか、マンションやアパートを建設した時には無かった建築資材や施工技術、断熱材などの新しい技術を取り入れることで、建物や設備の価値を高められる可能性もあります。

収支改善(賃料が上がる)

 

大規模修繕を行うことで賃料を上げて収支改善につなげることも可能です。

 

老朽化したマンションやアパートを大規模修繕することで、住まいとしての機能や価値を維持できれば、賃料を上げても競合物件と差別化が図れ、入居希望者が集まりやすいためです。

 

とはいえ、必ずしも賃料を上げられるとは限りません。

 

安易に賃料を上げてしまうと、他の物件よりも割高に感じる人が増えてしまい、空室が解消されない可能性もあります。

 

そのため、大規模修繕を行って賃料を上げる場合には、周辺の賃料相場や競合物件について詳しく調査分析したうえで慎重に検討するようにしましょう。

 

ちなみに、賃料を上げるかどうかを検討する際は、管理会社に相談することをおすすめします。

 

また、管理会社によっては大規模修繕工事の提案だけでなく、大規模修繕後の収益内容についてもアドバイスをしてくれるため、一度相談してみましょう。

賃貸経営では修繕費の積み立てが必要

賃貸経営において大規模修繕は必要不可欠であるため、将来の大規模修繕を見据えたうえで、修繕費を積み立てておくことが必要になります。

 

賃貸経営の場合、大規模修繕費は全てオーナーの負担になるため、積み立てをしておかないと、いざという時に修繕できないといった事態も考えられます。

 

そういった事態を避けるためにも、大規模修繕費を積み立てるようにしましょう。

 

なお、大規模修繕にかかる費用は建物の構造や規模、築年数など、さまざまな要素によって異なりますが、仮に築11~15年目RC造20戸(1LDK~2DK)だった場合、大規模修繕工事の費用は1戸あたり「約55万円」で、20戸合計で「約1,100万円」の大規模修繕費用が必要になります。

 

大規模修繕の費用については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

 

賃貸住宅のオーナーなら知っておきたい「⼤規模修繕」③大規模修繕にかかる費用

大規模修繕費を積み立てることの3つのメリット

大規模修繕費を積み立てるメリットは複数あります。

 

これらのメリットを理解しておくことで、大規模修繕費を積み立てることの重要性を理解することが可能です。

 

ここでは、大規模修繕費を積み立てるメリットについて解説していくので、積み立てるか悩んでいる方は参考にしてください。

大規模修繕費の負担を軽減できる

費用を積み立てておくことで、大規模修繕時に掛かる一時的な負担を大きく軽減することができます。

 

大規模修繕はさまざまな工事が必要になり、費用も高額なため、このことは大きなメリットです。

 

実際、規模の大きいアパートの場合、1,000万円以上の費用がかかるケースもあります。

 

外壁や屋根など、建物の老朽化具合を調べたうえで、以下のような多くの修繕や補修工事が必要になるためです。

 

・ 建物診断

・ 仮設工事

・ 外壁補修・塗装

・ 給水・排水管の設備に関する工事

・ 屋根防水・屋上防水工事

・ 鉄部塗装

・ シーリング工事

 

したがって、計画的に資金を貯めておかないと、大規模修繕を行う際に大きな負担となってしまいます。

 

いざという時の負担を軽減するためにも、賃貸経営を始めた当初から将来を見据えて大規模修繕費を積み立てておくようにしましょう。

綿密な修繕計画が立てられる

大規模修繕費を積み立てておくことで、将来の修繕計画やマンションやアパートの経営計画をより綿密に立てることができます。

 

具体的には、賃貸経営を始める当初におおよその大規模修繕費と、大規模修繕を行う年数などを含めた修繕計画を立てます。

 

仮に修繕費が予想よりも必要になった場合、いくら足りなくなるのかなどを把握して、修繕計画と修繕費用の積立金額を修正していきます。

 

一方で、定期的な点検の結果によって大規模修繕に必要な費用が予想よりも削減できた場合は、次回の大規模修繕費に余った資金を充てることもできます。

 

大規模修繕費を積み立てておくことで、修繕計画に変更があった際に柔軟な対応をとることができ、余裕を持った賃貸経営が可能となります。

 

なお、大規模修繕を実施していない中古物件を購入した場合、購入後数年で大規模修繕が必要になるため、購入前に大規模修繕にかかる大まか費用を把握しておき、物件の購入費以外にも大規模修繕に掛かる費用を用意しておくことをおすすめします。

 

その際は、大規模修繕費を含めた金額を把握したうえで、お得な物件なのかを判断するようにしてください。

不測の事態が起きたときに転用できる

大規模修繕費を積み立てておくことで、設備の故障などの不測の事態が起きた際に転用できます。

 

例えば、水害や火災の被害を受けた場合です。

 

水害や火災は火災保険が補償してくれますが、すぐに保険金を受け取れるわけではありません。

 

このため、オーナーが一時的に多額の費用を立て替えなければならないケースもあり、そのような事態が発生した際に修繕積立金があると助かります。

賃貸経営で効率よく大規模修繕費用を積み立てる方法

 

ここまでの解説で、賃貸経営における大規模修繕費を積み立てる重要性は理解していただけたと思います。

 

しかし、いざ積み立てるとなると、どうやって積み立てるのが自身に向いているのかで悩む方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、賃貸経営で修繕費を積み立てる方法とそれぞれの特徴を紹介していきます。

 

自身に向いている積み立て方法を探す際の参考にしてみてください。

管理会社に依頼して積み立ててもらう

自身で積み立てるのが難しい場合は、管理会社に依頼して修繕費を積み立ててもらうのがおすすめです。

 

入金された家賃から一定額を積み立ててもらえて手間が省けるうえに、管理会社が積立金額を把握しているため、大規模修繕計画の打ち合わせもスムーズに行うことができます。

 

ただし、管理会社に任せっきりでいると、いくら積み立てているかがわからなくなるケースもあるため、任せっきりにするのは危険です。

 

定期的に大規模修繕に関する打ち合わせを行い、積立金額を把握しておくようにしてください。

 

なお、管理会社によっては修繕費の積み立てサービスを行っていないケースもあるため、利用したい場合は管理会社に確認するようにしましょう。

保険に加入する

大規模修繕費用を積み立てるのに、生命保険を利用する方法もあります。

 

生命保険を大規模修繕費用の積み立てに利用することで、万が一の時に保障を受けられるだけでなく、保険料の一部を経費にすることができるため、利用を検討する方も多いです。

 

ただし、生命保険での大規模修繕費用の積み立てを検討する際は、以下の注意点があることも知っておかなくてはいけません。

 

・ 法人化しておく必要がある

・ 大規模修繕を予定通りに行う必要がある

 

解約返戻金のピークと修繕の発生を同じタイミングにする必要があり、生命保険を利用して大規模修繕費用を積み立てようと検討する際は、管理会社や税理士などによく相談するようにしましょう。

積立定期預金を利用する

積立定期預金とは目標となる金額を事前設定しておき、その額に達するまで資金を積み立てていく方法です。

 

一度手続きしてしまえば引き出し時や積立て終了時以外は手続きが必要ないので、手間が掛かりにくいといった特徴があります。

 

また、定期預金と違って途中解約や積立金の一部を引き出すことも可能なため、不測の事態が発生した際に資金を活用しやすいのも大きなメリットです。

 

このような特徴があるため、自分自身でコツコツ修繕費用を積み立てたい方は、積立定期預金の利用を検討してみてください。

修繕費が足りないときの対処法

不測の事態が発生したことで、今まで積み立ててきた修繕費を使用してしまい費用が足りない場合や、想定よりも修繕費がかかり資金が不足する場合は、金融機関から借り入れる方法を検討してみてください。

 

建築時や購入時の不動産投資ローン返済がすでに終わっている場合は問題なくリフォームローンなどで資金を借りることができますし、ローン返済中であっても金融機関から融資してもらえる可能性は十分にあります。

 

一度、金融機関に問い合わせてみましょう。

 

なお、大規模修繕を引き伸ばすのはおすすめできません。

 

適切な時期に大規模修繕を行わないと、建物自体の寿命を縮めることにもなりかねないため、極力避けるようにしてください。

まとめ

 

安定した賃貸経営を行うためには、大規模修繕が必要不可欠です。

 

しかし、大規模修繕費は高額になるため、「用意できるのだろうか」と不安を感じている方も少なくありません。

 

今からでも積み立てを始めようかと悩んでいる方も数多くいます。

 

そのため、本記事では賃貸経営で大規模修繕費の積み立てが必要な理由や、効率よく積み立てる方法などについて解説してきました。

 

大規模修繕費について不安を感じている方は、本記事を参考に大規模修繕費の積み立てを始めてみてください。

この記事を書いた人

DAINICHI 編集部 不動産チーム

DAINICHI 編集部 不動産チームは社内外の有識者により構成されています。不動産の投資、管理、運用、リノベーション、売却、有効活用などの方法について、様々な視点から不動産に関する有益な情報をお伝えします。

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