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不動産オーナーさま向けコラム

賃貸経営において加入しておくべき損害保険は?コスト目安もあわせて紹介

2022.05.01

賃貸経営において必ず加入しておくべき損害保険は、火災保険です。

 

火災保険に加入していないと、火災や自然災害が起きた際に補償がおりないうえに、そもそも不動産投資ローンを利用できない可能性すらあります。

 

このため、賃貸経営をするなら、火災保険への加入は必須といえます。

 

しかし、実際に火災保険を選ぶ際に「数多くある保険商品の中から、どの火災保険を選べばいいのか分からない」と悩んでしまう方も少なくありません。

 

補償範囲や特約などによって様々な種類があり、物件の状況にあった火災保険を選ぶのは容易ではないためです。

 

そのため、本記事では、各々の状況にあった火災保険を選ぶための基礎知識や注意点など、理解しておくべきポイントについて解説していきます。

 

損害保険への加入を検討されている方は、本記事を参考にしてみてください。

賃貸経営で加入するべき損害保険は火災保険

 

 

火災保険は、火災や台風、豪雨などの自然災害によって損傷や倒壊した建物や家財に対して、一定の要件を満たすことで保険金が給付される保険です。

 

日本は世界でも有数の災害大国であり、近年でも「台風・豪雨・地震」による被害が毎年のように発生しているため、賃貸経営をするうえで加入しておくべき損害保険だといえます。

 

実際、内閣府の防災情報ページに公表されている「災害を受けやすい日本の国土」によると、日本の災害による被害額は「世界の18.3%」を占めるほど被害を受けているため、火災保険には加入するようにしましょう。 

 

出典:1 災害を受けやすい日本の国土 : 防災情報のページ - 内閣府

 

ただし、火災保険も万能ではありません。

 

火災保険は火災だけでなく、水災や雪災などの被害にも対応している保険ではありますが、地震や津波、噴火による被害には対応していません。

 

仮に、地震による被害による補償を受けたい場合には、別に地震保険に加入しておく必要があります。

 

なお、地震保険に加入するには、火災保険に加入する必要があるので、そういった意味でも火災保険の加入は必須です。

賃貸経営でおすすめしたい火災保険の特約

賃貸経営をされているオーナーさんやこれからのオーナーさんに、おすすめしたい火災保険の特約は、以下の3つです。


名称内容備考
施設賠償責任特約(賃貸建物所有者賠償特約) 管理不備などによる事故が原因で損害賠償責任を負った際に、その損害に対して保険金が支払われる特約 主な事例
① 配管の水漏れ事故により入居者の家財が汚損した
② 建物の一部が剥落して通行人に怪我を負わした
家賃補償特約 火災などの事故により建物の損害が発生した際、家賃の損失を補償してくれる特約(契約時に補償期間を決める) 保証範囲は火災保険の基本補償の範囲
家主費用特約 賃貸住宅内で死亡事故が発生した際に、該当の部屋が空室になっている期間または空室期間を短縮するために家賃を値下げした期間の家賃を補償してくれる特約 主な事例
① 孤独死
② 自殺
③ 犯罪死

 

上記のように、標準の補償内容だけではカバーしきれないリスクに対して補償をしてくれるので、幅広くリスクを軽減したい方は、特約の利用も検討してみましょう。


 ただし、特約を利用すると保険料は高くなるので、補償と保険金のバランスが重要です。

 火災保険には保険金と保険価額のバランスによって3つの形態がある

火災保険が、保険金額と建物の実際の価額(保険価額)のバランスによって、以下の3つの形態に分類されます。

 

①  全部保険:保険金額と建物の実際の価額(保険価額)が同じ

②  超過保険:保険金額の方が建物の実際の価額(保険価額)より多い

③  一部保険:建物の実際の価額(保険価額)の方が保険金額より多い

 

上記で最も理想とされるのは全部保険です。

 

保険金と保険価額が釣り合った状態ですので、この形態を目指すようにしてください。

 

一方で、一部保険の場合は損害額に満たない保険金しか受け取ることができないため、最も危険な形態と言えます。

 

特に、一部保険の中でも「比例てん補方式」が適用されている契約の場合は、すぐに見直すようにしてください。

 

そのままだと、単純に損害額に満たない保険金しか受け取れないどころか、保険金を満額受け取ることすらできないので、注意が必要です。

 

具体例として、保険価額が2,000万円の建物に対して、保険金額が1,000万円の保険に加入、500万円の損害が出た場合に、「比例てん補方式」が適用されている契約で、受け取れる保険金を計算してみましょう。

 

500万円(損害額)×(1,000万円(保険金額)÷(2,000万円(保険価額)×80%)=312.5万円

 

上記のように、「比例てん補方式」の場合は損害額が丸々補償されるわけではなく、保険価額と保険金額の割合で損害額から差し引かれるため、受け取れる金額が少なくなってしまいます。

  

なお、この際の保険価額に乗じる割合は、金融機関によって異なりますが、「80%」に設定している会社が多いです。

損害保険の中でも賃貸経営で火災保険が必要な3つの理由

賃貸経営において火災保険に加入しておくべき理由は3つあります。


「火災保険は本当に必要なのか?」といった疑問を持たれている方は、「なぜ必要なのか」ここで理解するようにしましょう。

火災保険は災害リスクに対応できる

火災保険は前述したように、地震や噴火以外のほとんどの災害に対する被害を補償してくれます。


元々日本は災害大国であるうえに、近年は台風や豪雨による被害も増えてきているため、災害で受ける被害を補償してくれる火災保険は、賃貸経営において必要不可欠です。

 

賃貸経営のリスクのひとつである災害のリスクに対応するためにも、火災保険には加入するようにしましょう。

不動産投資ローンを組むための条件に火災保険加入が設定されている

 

 

不動産投資ローンを取り扱うほとんどの金融機関は、ローンの利用要件の中に「火災保険の加入」を設定しています。

 

自然災害によって建物が損傷してしまうと、修繕費用の支払いが必要なうえに、家賃収入が無くなる可能性もあるためです。

 

金融機関の立場に立ってみると、貸し倒れのリスクを軽減するためにも、火災保険の加入を義務付けるのは当然だと言えます。

 

ちなみに、賃貸経営を行う物件は数千万円〜数億円になることが多く、不動産投資ローンを利用して購入するのが一般的であるため、火災保険に加入しているオーナーの方がほとんどです。

失火責任法により近隣の火災に巻き込まれても損害賠償請求ができない可能性がある

失火責任法とは、火災を発生させた際に、周りの家や建物が延焼しても、重大な過失がない限り、損害賠償責任を負う必要がないことを定めている法律です。


重大な過失と判断される以外の原因で出火し、所有している物件が延焼したとしても、損害賠償請求は認められないため、火災保険に加入しておくことをおすすめします。


なお、ここでいう重大な過失とは以下のようなケースが該当します。


・ 天ぷら油を加熱して放置したことが原因で出火したケース

・ 寝タバコが原因で火災が発生したケース

・ ストーブの近くに軽油をおいて出火したケース


上記のように、故意でなくても、誰が判断しても危ないと明らかにわかるケースでは、「重大な過失」と判断される可能性が高いです。


ただし、似たような事例であっても、個別の状況によって重大過失に該当しないと判断されることもあります。


 このように、延焼を受けても損害賠償を受けられる可能性は低いため、火災保険には加入しておくようにしてください。

火災保険の保険金額の相場は建物評価額の80%〜100%

火災保険の保険金額の相場は、保険会社や建物の構造、補償内容、特約、保険期間など、さまざまな要素で変わるため、一概にこの金額が相場とは言えません。


しかし、一般的には建物評価額の80%〜100%が良いと言われています。


火災保険を提供できる会社の多くが、一部保険の比例てん補方式において、分母の保険価額に乗じる割合を「80%」に設定しているためです。


100%の全部保険が理想ですが、火災保険料が予算よりも高い場合は、80%を上回る火災保険を契約するようにしましょう。

火災保険料の決め方

アパートやマンション一棟を運営されている場合の火災保険料の相場は、月額10〜20万程度と言われています。
とはいえ、保険料を決める要素はさまざまあり、条件次第で保険料が相場よりも大きく異なるケースも珍しくありません。


では、どういった要素で保険料が決められているのでしょうか?
それは、以下の要素になります。


・ 新価(再調達価額)

・ 時価

・ 建物の構造

・ 建物所在地

・ 特約や補償の内容

・ 保険金額


上記のように、さまざまな要素によって火災保険料は変わってくるので、詳細な金額については、保険会社に問い合わせるようにしてください。

新価(再調達価額)・時価

保険の対象になる物件や家財がいくらの価値であるかは、新価(再調達価額)と時価のどちらかで評価します。

 

新価とは、同等の建物や家財を再築・再取得するのに必要な金額のことで、時価とは経過年数などによる価値の減少を差し引いた建物などの現在の価値のことです。

 

どちらの評価方法を採用しているかによっても、火災保険料は変わってきますが、現在は「新価」を採用しているのが主流になっています。

建物の構造

火災保険において、建物は以下の3つの種類に分けられます。

 

・ M構造(コンクリート造マンションなど)

・ T構造(鉄骨造の戸建ての建物など)

・ H構造(木造の戸建ての建物など)

 

それぞれの構造によって保険料が異なり、「M構造<T構造<H構造」の順に保険料が高くなっていく仕組みです。

建物所在地

所有している物件の所在地によっても保険料が変わってきます。

 

物件がある場所によって、洪水や津波などの災害のリスクが異なるためです。

 

災害のリスクが高い地域の物件は、保険料が高く設定されます。

特約や補償の内容

火災保険に特約などをつけて補償の範囲を広くすると、当然ですが保険料が高くなります。

 

補償の範囲が広がると、保険会社が保険金を支払うような事故などが発生する可能性が高くなるためです。

 

保険料を抑えたい方は、必要のない特約などを外すようにしましょう。

保険金額

損害が発生した際に受け取る保険金額によっても保険料は異なります。

 

万が一に備えて受け取る保険金額を高く設定すれば、保険料も高くなるのは当然です。

 

ただし、実際の損害額を超える金額は補償されないので、火災保険を選ぶ際は注意するようにしてください。

賃貸経営において火災保険を選ぶ際に確認するべきポイント

賃貸経営において火災保険を選ぶ際は、慎重に選ぶ必要があります。

 

物件や各々の状況によって、必要な補償の範囲や期間が異なるためです。

 

そのため、ここでは火災保険を選ぶ際のポイントについて解説していきますので、火災保険を選ぶ際の参考にしてください。

補償範囲

補償範囲も保険商品や特約などによって異なります。

 

そのため、賃貸経営において必要な補償が含まれているかどうかを、確認することが重要です。

 

ただし、補償範囲が広くなると保険料が高くなるため、むやみやたらに補償範囲を広げないよう注意しましょう。

保険の適用期間

火災保険の適用期間は、1〜10年です。

 

短期間の契約よりも長期間の契約のほうが割安になるため、長期間の賃貸経営をされるなら、長期間の契約をおすすめします。

 

ただし、長期間の契約をしてしまうと、途中解約できないケースもあるので、契約する保険を慎重に選ぶようにしてください。

賃貸経営において火災保険に加入する際の注意点

賃貸経営において、火災保険に加入する際に把握しておくべき注意点は多数あります。

 

例えば、地震による被害は補償されないなどです。

 

これらの注意点を理解しておかないと、いざ被害が発生した際に火災保険では補償されないという事態になりかねません。

 

上記のような失敗をしないためにも、以下で紹介する3つの注意点について、理解しておくようにしましょう。

2022年10月に値上げが予定されている

火災保険は、2022年10月から保険料が、1割程度の値上げが予定されています。

 

2015年以降、大手損害保険会社の火災保険料の値上げは、今回で4度目です。

 

値上げの背景には、自然災害による火災保険の支払いが増加していることが挙げられます。

 

実際、一般財団法人日本損害保険協会が2021年6月25日に公表した「火災保険における保険金と収支の状況等」によると、火災保険の支払保険金は自然災害の増加によって2010年から上昇し続けている状況です。 

 出典:火災保険における保険金 支払いと収支の状況等

 

特に、2018年は、「平成30年7月・台風21号豪雨・台風24号豪雨」、2019年は「台風15号豪雨・台風19号豪雨」によって支払保険金が2年連続「1兆円」を超えています。

 

 出典:火災保険における保険金 支払いと収支の状況等

 

上記のように、自然災害の増加により、火災保険の収支はこの10年間赤字が発生していることから、火災保険料の値上げが予定されていることを覚えておいてください。

戦争に関わる損害は火災保険では補償されない

「火災保険が戦争による被害に関して補償してくれるのか」という疑問は、今まで気にする方がほとんどいませんでしたが、2022年2月24日、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を開始したことによって懸念を持つ方が急激に増加しました。

 

「火災」に対する保険であるため、爆撃によって火災が発生し、所有している不動産に損害が及んだ際に補償してもらえると考える方もいますが、火災保険は戦争が関わる火災や建物の損害を補償してくれません。

 

約款に「戦争に関わる損害は火災保険では補償されない」と記載されているためです。

 

実際、東京海上日動の「トータルアシスト住まいの保険(2021年1月1日〜始期契約)の約款」を確認すると、「戦争や外国の武力行使による事故の延焼による被害については保険金を支払わない」と明記されています。

 

したがって、火災保険に加入していても、戦争で発生した被害は補償されないことを覚えておきましょう。

地震による損害は火災保険では補償されない

 

火災保険は、地震によって発生した建物の損壊などの被害に対しては、補償対象ではありません。

 

そのため、地震による補償を確保するには、「地震保険」に加入する必要があり、可能であれば加入することをおすすめします。

 

日本は大規模地震が発生しやすく、直近15年間だけでも「2011年の東日本大震災・2016年の熊本地震・2018年の北海道地震・大阪府北部地震・2021年の福島県沖地震」の大地震が発生しており、今後も「首都直下型地震・東南海地震」の発生が懸念されているためです。

 

無理に加入する必要はありませんが、資金繰りが許すのであれば、加入するようにしましょう。

まとめ


賃貸経営において火災保険は、非常に重要な保険です。


さまざまなリスクに対して補償してくれるため、賃貸経営を安定させるために必要不可欠だと言えます。


しかし、補償範囲や保険金額などの注意点を理解しておかないと、火災保険選びに失敗してしまい、肝心な時に補償されないといった事態に陥りかねません。


そのため、本記事では、賃貸契約における火災保険の基礎知識や注意点など、理解しておくべきポイントについて解説してきました。

 

火災保険の加入を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。

この記事を書いた人

DAINICHI 編集部 不動産チーム

DAINICHI 編集部 不動産チームは社内外の有識者により構成されています。不動産の投資、管理、運用、リノベーション、売却、有効活用などの方法について、様々な視点から不動産に関する有益な情報をお伝えします。

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